さいたま新都心にある県立小児医療センター(さいたま市中央区)で昨年、抗がん剤の髄腔(ずいくう)内注射を処置された複数の患者が死亡したり意識不明となったりしている事案を受けて、医療法に基づく「医療事故調査委員会」の第2回、第3回の会合がこのほど、さいたま市内で開かれました。調査委はこれをもって終了し、今後、再発防止策などを盛り込んだ報告書を取りまとめます。

調査委はいずれも、非公開で開かれました。大きな焦点の一つであった事故の原因を、調査委は「調査・検証を尽くしたものの、(抗がん剤の)ビンクリスチン混入の原因の特定は困難」と結論付けました。
今後の再発防止策については、事務局側から髄腔内注射の薬剤のオーダーや調製、搬送、髄腔内投与という一連の各工程についての採るべき対策案などが示され、委員からは「ビンクリスチンを含めた異物の混入を防止する対策として十分」、「過失、故意いずれの可能性にも対応しうる対策として妥当」と概ね了承する意見が大半を占めたそうです。再発防止策の実施にあたっては、「同じような事故を起こさないよう、取りまとめられた再発防止策を確実に講ずるべき」との意見もあったそうです。
今後、再発防止策の詳細を盛り込んだ報告書がまとまり次第、患者の遺族や家族に説明し、その後、報告書を公表する流れになります。なお、公表の時期はまだ決まっていないそうです。 同センターでは、昨年1月以降、髄腔内注射を受けた患者5人が神経症状を発症し、1人が死亡、2人が意識不明の重体となりました。この3人の髄液から、本来、この注射治療で使用されることのない劇薬の抗がん剤「ビンクリスチン」が検出されたことを受け、医療法に基づく「医療事故調査委員会」が発足していました。本来、「ビンクリスチン」は血管内に投与する抗がん剤で、髄腔内注射での使用は禁止されています。
