先日、県議会で所属する文教委員会で視察を行いました。
愛知県名古屋市と豊田市で先進的な取り組みを進める学校にうかがい、実際の授業風景を見学しながら、教育のあり方を学んできました。
⓵ことばの教室(愛知県豊田市立大林小学校)
日本語での会話や意思疎通が十分でない外国人児童や生徒のために、豊田市教育委員会が平成12年に設置した教室で、日本語の初期指導と学校生活への適応指導を行っています。現在は視察で訪れた大林小を含む4校(小学校3校、中学校1校)に開設されています。
児童や生徒が3か月程度在籍し、学校生活などで必要な日本語を学び、日本の学校に円滑に編入できるよう支援しています。
同市は自動車関連産業の発展に伴って多くの外国人が移り住むようになったため、外国人児童や生徒の、日本語によるコミュニケーション能力不足をどうサポートするかが、大きな課題だったそうです。
実際に、授業を視察した際には、来日して間もない児童5人が、日本語指導員の指導を受けていました。子どもたちは、教材を使いながら、「おおきい」「ちいさい」「あたらしい」「ふるい」「ながい」「みじかい」などの日本語を学んでいました。
この教室では、日本語だけではなく挨拶や学校のルールなど、日常生活に欠かせない生活習慣も教えており、学校生活への適応を総合的にサポートしているのが特徴です。
日本では現在、多くの企業で人手不足が生じており、今後、外国人労働力がますます必要になると指摘されています。国籍や民族などの異なる人々が、互いの文化的違いを認め合い、対等な関係で地域社会の構成員として共に生きる社会(多文化共生社会)の実現の第一歩としても、言葉による意思疎通は欠かせず、日本語教育は重要であると実感できました。
⓶自由進度学習・山吹セレクトタイム(名古屋市立山吹小学校)
山吹小学校は、「子どもが主人公」をコンセプトに教育活動を行っており、その一環として「自律的に学び続けること」を目指して、自由進度学習である「山吹セレクトタイム」(YST)を実施しています。
YSTは子どもたち自身が「いつ学ぶか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」を自己選択・自己決定して、学びを進めるものだそうです。
YSTでは複数教科の単元計画をあらかじめ、子どもたちに示した上で、その中から子ども自身が学習計画を立てて、自らに合ったペースや方法で学んでいます。令和2年度からスタートし、国語、社会、算数、理科、社会の5教科を対象に、学年や時期に応じて、週5~10時限、YSTを導入しているそうです。
4年生学級を視察した際は、子どもたちが漢字の学習(国語)をしたり、3桁の割り算(算数)を学んだりと、得意科目の強化や苦手科目の克服などを目指して、思い思いに学習を進めていました。隣の子と寄り添いながら教え合ったり、タブレットを見せ合いながら相談したり、黙々とワークシートに取り組むなど、子どもの姿もさまざまでした。授業の終わりには、子ども一人一人が学習の内容を報告し合い、学習の進度を共有し合っていました。
子どもたちも将来、成長して社会に出れば、自ら課題を見つけて解決する能力が求められます。私自身、教育現場において、そうした能力を養うことの重要性や必要性を強く認識しており、YSTは本県の今後の教育を考える上でも、大変参考になる取り組みであると感じた視察でした。