北里大学メディカルセンター救急科を視察

先日、北本市西部(荒井地内)にある2次救急医療機関「北里大学メディカルセンター」の救急科を視察し、救急医療の最前線の現場の声を聞いてきました。

同センターはかつて、救急応需率が50%を切り、「断る病院」という不名誉な呼び方をされた時期もあったそうです。そうした状況の改善を図るため、さまざまな改革に着手したのが救急科副部長の田村智医師です。

その結果、救急車両の受け入れ台数も2017年の2,500台未満から24年には4,500台を超すまでに上昇し、応需率も現在、80%近くまで達するようになったそうです。今や「断らない病院」への変貌を遂げています。

同センターでは救急対応の工夫として、地域との連携も図っています。入院が必要な患者がいる近隣の他医療機関(病院や医院)や高齢者施設などに、同センターの救急車が直接、迎えに行く仕組みなどを導入しています。私が視察した日も、県央地域の医療機関で脳梗塞を発症した男性を同センターの救急車が迎えに行き、同センターまで搬送してきた後、救急治療室で緊急の措置をしている最中でした。このほか、手術を要する整形患者を同センターで受け入れ、検査・診断をした後、連携先の病院に転送することなどもしています。

救急医療の課題として、田村医師はDX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化や質の改善を挙げます。FAXと電話による転院調整に関しては、デジタルによる一斉送信に切り替えたり、現場の人手不足への対応として、搬送ロボットの本格導入に向けた実証実験に取り組んだりしています。このほか、映像伝送による遠隔診療などにも積極的に取り組んでいるそうです。

本県は人口10万人当たりの医師数が全都道府県の中で、最少レベルであり、北本市を含む県央地域も、医師不足は深刻な状況です。本県でも、医師の育成や地元定着の取り組みを鋭意、進めており、県民や市民の命を守る最後の砦である医療機関への支援は今後も、積極的に行っていこうと考えています。