一般質問でのやり取り

令和8年2月定例会で一般質問に登壇し、行財政改革やマチづくり、児童虐待、産業振興、教育などの喫緊の課題について、具体的な提案を織り交ぜながら県の姿勢を質しました。主なテーマについて、執行部とのやり取りをご紹介します。

質問 県庁における職員採用を、よりドラスティックに改革すべきだ。仕事内容によって処遇・待遇を決める「ジョブ型」の中途採用の本格化や、県庁を離職後に外部で培った経験・知見を、あらためて、県庁で役立ててもらう復帰制度の採用枠拡大などだ。多様な人材確保のため、本格的な通年採用を導入し、民間などからの人材登用を積極的に進めるべきと考えるが、いかがか?

総務部長 人材確保が難しくなってきていることを踏まえ、新卒採用を基本としつつも、採用に関して、さまざまな取り組みを行っている。現在の合格倍率は残念ながら、低いものと認識しており、多様な職員採用のあり方を更に検討する必要があると考える。これまで取り組んできた試験制度の見直しの結果も検証しながら、御指摘の本格的な通年採用も含めて、採用試験制度の見直しを検討したい。

質問 児童虐待の対策は、ちょっと立ち止まって考える必要があると感じる。理想は、児童相談所を必要としない社会だ。「虐待が多いから児童相談所を作る。そのための職員を採用する」というのは、実は必要以上のコストを払ってしまっている可能性がある。対症療法的な川下政策ではなく、そもそも虐待を起こさせない川上政策を積極的に展開していくべきではないだろうか?

福祉部長 県では、こどもたちを虐待から守るため、早期発見、早期支援に力を入れて取り組んできた。虐待を起こさせない予防的な取り組みを進めるためには、妊娠・出産期から子育て期まで、切れ目なく不安や悩みに寄り添い、安心して出産や子育てができるよう支援していくことが大切だ。市町村では、虐待リスクの高い家庭への支援員訪問などの事業をしており、県は財政支援をしている。今後も市町村と連携を深め、虐待を起こさせない取組を強化していく。

質問 国による所得制限なしの高校授業料の「実質無償化」が実現すれば、県内の子どもたちの県外流出が加速しかねない。そうした危惧を踏まえ、進学先に選んでもらえる魅力的な県立学校づくりが今こそ、求められている。それが中高一貫校だ。地域ごとに教育環境はさまざまであり、現存する学校数などの地域性も踏まえた上で、中高一貫校を設置する必要性が高まってきたと考えるが、いかがか?

教育長 地域によって教育環境はさまざまであり、地域の状況や生徒のニーズなどを踏まえ、魅力ある県立学校づくりを進めることは、重要であると考える。中高一貫校は、6年間の継続性のある学びやゆとりを生かした教育課程が編成できるという特長があり、子供たちの多様なニーズに応える選択肢の一つであると考えている。現状で、「いつまで」という期限をお示しすることは困難だが、県では、地域ごとの教育環境などを踏まえ、新たな中高一貫校の設置に向けて、検討を進めてまいりたい。

質問 県は先ごろ、このプロジェクトの推進策として、ビジネスピッチの実施が掲げた。マチづくりに役立つ優れた技術やサービスを企業側から自治体に提案する取り組みであり、企業などの民間の力がマチづくりに活かされることで、マチづくりの起爆剤としての役割が期待できそうだ。今後、プロジェクトの代表的なモデルを、県、企業、市町村の共同体で作り上げることを考えてみてはいかがか?

知事 持続可能なマチづくりの成果を出すには、10年単位の長い取り組みが必要であり、市町村が責任をもって事業を継続できるよう、このプロジェクトの推進に当たっては、市町村の主体性を大切にしている。ビジネスピッチの活用で、民間の視点や優れた技術・サービスをマチづくりに取り入れたり、企業と市町村の連携に県が加わることで、広域的な視点を加えることも可能だ。市町村が主役というプロジェクトの基本的枠組みのベースにしながら、民間や県のサポートを効果的に組み合わせることで、代表例となるような優れた事例の創出に努めたい。

 ≪埼玉版スーパー・シティプロジェクト≫

超少子高齢社会を見据え、市町村の「コンパクト」「スマート」「レジリエント」の3つの要素を兼ね備えた持続可能なマチづくりを県が支援するプロジェクト。

市内飲食店とのコラボ給食をいただく

この試みは、給食の質の向上や、子どもたちの食育を推進するとともに、子どもたちに食や地域への関心を高めてもらうことで、地域への愛着を育んでもらおうと企画されたそうです。

私がお邪魔したのは1月20日の西小学校で、この日はフレンチのダンデライオンさん監修のメニューで、コーンピラフとトマトポトフ、イチゴとミカンのクラフティ(デザート)でした。

6年生児童と給食をともにする中で、学校での普段の生活ぶりなども聞くことができ、大変有意義な時間を過ごすことができました。こうした取り組みは今後も積極的に応援していこうと思います。

医療の今後を考えるため、静岡がんセンターを視察

私が所属している埼玉県議会の福祉保健医療委員会で先ごろ、静岡県立静岡がんセンター(同県長泉町)を視察し、がん医療のあり方について、先進的な事例を学んできました。

 同センターは2015年、国内では初めてとなるAYA世代病棟を設置しました。がん細胞だけを集中的に破壊する「陽子線治療」という高度な医療を提供しているほか、チャイルド・ライフ・スペシャリスト(CLS)と呼ばれる、子どものケアを専門的に行う職員を病棟に配置するなど、先進的な取り組みを進めているのが特徴です。

 AYAとはAdolescent and Young Adultの略で、思春期や若年世代を指し、国ごとに定義は異なりますが、15歳から39歳が対象とされます。AYA世代のがん患者は、治療中やその後の生活の中で、就学、就職、就労、恋愛、結婚、出産など人生のターニングポイントとなる、さまざまな出来事と向き合う機会が想定され、大人・高齢のがん患者とは異なる、AYA世代特有の問題があるとされています。このため、よろず相談などの窓口を設け、多職種チームで支援しているとのことです。

この世代のがんの特徴として、多臓器にまたがることや、小児型のがんと大人型のがんが混在すること、5年生存率の改善の割合が他の世代に比べて極端に低い状況にあること、加えて、この世代には社会的な支援が乏しいことなどが挙げられます。このため、疾病ごとにきめ細やかな治療が行われており、診療科の垣根を越えて、多職種の専門スタッフで対応しているとのことです。

CLSは、Association of Child Life Professionals (ACLP:米国チャイルドライフプロフェッショナル協会)が認定する資格です。医療の現場で、こどもや家族に心理社会的なサポートを提供する専門職です。同センターでは、常勤のCLSが2名在籍し、その専門知識や技術を用いて、子どもやAYA世代、その家族へ幅広い支援を提供しています。例えば、子どもの生活の中心である遊びを通して不安を和らげ、子ども本来の発達を支援することや、どんな環境でも、子どもと家族がその家族らしくいられることを目指して活動しているそうです。

本県にも、伊奈町に県立がんセンターがあります。視察の成果を本県での医療施策に活かしていきたいと考えています。

ワクチンの製造工場を視察

先日、北本市荒井地区に本社を置く、第一三共バイオテック㈱を訪問し、ワクチン製造の現場を視察する機会を得ました。工場視察を通じて、国産ワクチンの安定供給という、医療の「安全保障」について理解を深めてきました。

同社は、第一三共グループで唯一のワクチン製造を担う、生産機能会社です。新型コロナウイルス感染症に対応するmRNAワクチン、はしか風疹混合生ワクチンなどを中心としたワクチン製造を行っています。自らのミッションを「ワクチンの安定供給を達成するとともに、バイオ医薬品の製造とバイオ生産技術の向上に取り組むことにより、世界中の人々の健康で豊かな生活に貢献します」としています。

長年のワクチン研究、製造で培ったウイルスや細菌培養を基盤としたバイオ生産技術を有することが、同社の企業としての強みだそうです。同社が製造したワクチンは、生きたウイルスなど比較的不安定な物質を主成分としているとのことで、各製造工程における工程管理が非常に重要となります。このため、経営陣、従業員が一体となり、品質管理体制の維持・向上に努めることで、高品質なワクチンを供給しているとのことでした。

グループホームあおいとりを訪問

先日、障がい者福祉のあり方について学ぶ機会を得ました。

北本市内中丸地区などでグループホームを運営している「あおいとり」の地域連携推進会議にお招きをいただき、障がい者福祉の将来像などについて、意見交換を行いました。

 「地域連携推進会議」は、施設利用者やその家族、地域住民、福祉の知見を有する人、行政担当者などで構成される会議体で、事業者が施設運営の状況を報告するとともに、施設への要望や助言を聞く場です。本年度より、障がい者グループホームを運営する事業所は、推進会議の開催が義務づけられています。あおいとりでは、初めての開催でした。

 意見交換で私は災害時の対応に関して質問しました。やり取りは次の通りです。

近年、自然災害が猛威を振るう場面を多く目にする現状を踏まえると、地域住民とのつながりや絆をどのように構築し、維持していくかは大きな課題だと感じました。

あおいとりは、北本市内でグループホーム5棟を運営しており、主たる入居対象者は知的障がいや精神障がいのある方です。年齢は15歳以上の男女となっています。

今後も、障がいのある方や福祉事業者の声を丁寧に聞きながら、地域の障がい者福祉の向上に全力で取り組んでいきたいと考えています。

9月定例会が閉会

9月24日から22日間の日程で開かれた9月定例会が15日、閉会しました。今定例会では、一般会計や流域下水道事業会計の補正予算案など計32議案を原案通り、可決しました。

 補正予算案では、一般会計で、病床数の適正化を進める医療機関への給付金や公共事業の増加に伴う追加工事の実施などで88億円余を計上し、累計は2兆2490億円に。流域下水道事業会計では、1月発生した八潮市の県道陥没事故で被害を受けた住民や事業者への補償、下水道管路の全国特別重点調査の結果を踏まえた対策(工事)などで62億円余を追加しました。

 今定例会では、私は自らが所属する福祉保健医療委員会で、「児童福祉施設の今後のあり方」をテーマに、県執行部に調査を行いました。そのやりとりは次の通りです。

◆児童心理治療施設の増設について

質問 児童心理治療施設は、県が所管するのは嵐山町の1施設のみだ。本来、治療を必要とする子どもであっても、施設が足りず、養護の現場からは「児童養護施設で預からざるをえない状況だ」と聞く。治療施設の新設を望むが、課題は何か?

こども安全課長 新設も検討していくが、医師など多くの専門職員が必要で、職員の確保がまず不可欠だ。加えて、用地や多額の施設整備費といった費用の確保、教育環境の整備など、解決すべき課題は多くある。関係団体の皆様のご意見もお聞きしながら、引き続き検討したい。

再質問 検討する以上は、ある程度、時間軸(タイムスケジュール)もしっかりと考えた上ですべきだと思うが、いかがか?

こども安全課長 ご指摘の通り、通常事業を実施する上での検討期間というか、時間軸といったものを意識していくことは非常に重要であると認識している。難しい課題も多く、一朝一夕ではいかない部分もあるが、ご指摘も踏まえつつ、引き続き検討したい。

◆人材確保・定着への支援策

質問 人手不足が深刻化する中で、福祉人材を獲得するには、行政からの財政的な支援が欠かせないと思う。児童福祉施設で働く職員向けに、家賃補助や就職準備金貸付制度などがあるが、現状の物価高を考えると、既存の制度をベースに受給対象者を拡大することや、金額を増やすなども考えられると思うが、いかがか?

こども安全課長 児童福祉施設の人材確保と定着は非常に重要な課題だと認識している。今後さらなる対象者の拡大など、支援内容の見直しにつきましては、多額の予算も必要となるので、そのニーズや効果もしっかり踏まえつつ、関係団体の皆様からのご意見も丁寧にお聞きしながら検討したい。

児童心理治療施設 社会生活への適応が困難な児童が入所や通所によって、心理治療や生活指導を受けるということを目的とした施設。

児童養護施設 保護者のいない児童や虐待を受けるなど家庭環境に問題があり養護を必要とする児童を養護する施設。

大野知事が「ふれあい訪問」で北本市へ

このふれあい訪問は、知事が県内各地の実情を自らの目で確かめて把握し、県政運営に的確に反映させていくことを目的に行われており、北本市の訪問は令和3年11月以来でした。

交流センターは、閉校した栄小学校をリニューアルしてできた複合施設、エイワは高級オーダースーツ専門店「銀座英国屋」の縫製加工を行う工房、SUBARUは自動車メーカーであり、北本工場はストロングハイブリッド用トランスアスクルの生産拠点です。

エイワの視察では、人材育成をテーマに活発な意見交換がありました。縫製業界の課題として職人の高齢化がある中で、同社では社員の半数以上が30代以下となっており、若手の縫製職人の育成に注力しているそうです。こうした若手育成をしている企業に対する行政の支援のあり方も、大きく転換していく必要性を認識しました。

SUBARUでは、DX(デジタルトランスフォーメーション)による業務効率化や機械化による作業負荷の軽減、従業員が働きやすい職場環境の推進などを進めており、生産現場の生の声をうかがうことで、生産性向上のための改革の必要性を学ぶことができました。

空き家活用による市街地活性化を学ぶ

私が所属する県議会の「公社事業対策特別委員会」で先日、山形県や山形市が取り組んでいる、空き家対策と中心市街地活性化を連動させたユニークな取り組みを視察してきました。

こうした取り組みの背景には、中心市街地の空き家・空きテナントの増加に加え、隣県から通学する学生の増加で、卒業後の県内定着に至らないといった深刻な問題があったそうです。

主に山形大学、東北芸術工科大学の学生が入居しており、家賃は3万円前後。家庭の所得に応じて、補助制度もあります。空き家・空きテナントを提供するオーナーには、改修費に関して、山形県や山形市からの補助もあります。それぞれの物件の管理・運営は公社が行っています。現在、このスキームで、山形市内に5物件58戸が整備されているそうです。

県が所有する宿泊休養施設を視察

先日、私が所属する福祉保健医療委員会で、県が所有する伊豆潮風館(静岡県伊東市)を視察し、今後の運営に関する調査を行いました。

この施設は、障がいのある方とそのご家族に健康増進やレクリエーションの場として気軽にご利用いただくことを目的に、県が開設した宿泊休養施設です。

現在、指定管理者による運営が行われていますが、開設から37年が経ち、老朽化も目立つようになっています。このため、今後の施設運営のあり方を検討すべき時期に来ており、障がいのある方やそのご家族の利用状況なども踏まえながら、今後の施設の方向性を考えていこうと思っています。